全国初、スマホで遠隔医療相談 小児科医が不在の町で実験 町民の声受け施策化
4/26(木) 10:22配信 西日本新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180426-00010001-nishinpc-sci
小児科医が不在の鹿児島県錦江町は25日、スマートフォンで未就学児の医療相談ができるサービスの実証実験を来月から始めると発表した。過疎地の自治体が相談窓口確保の有効性を検証する国内初の取り組み。
遠隔健康医療相談サービス「小児科オンライン」を手掛ける東京の「キッズパブリック」(橋本直也社長)と行う。同日、木場一昭町長と小児科医の橋本社長が県庁で記者会見した。
小児科オンラインは「親の不安に寄り添いたい」と2016年にスタート。無料通信アプリ「ライン」を利用し、チャットやビデオ電話などで当番の小児科医(主に首都圏の37人)が1回10分間の相談に応じる。利用時間は平日午後6時~10時。
「同じ悩みを抱える過疎地の町に希望を」
同町は20年以上、小児科医が不在で、町民は車で30分ほどかけて鹿屋市に診療に行っている。昨年10月、ふるさと納税の活用策を町民から募集。「小児科の誘致や遠隔相談の仕組みの導入」など子育ての不安解消を求める提言を受け、施策化したという。対象となる未就学児は約220人。事業費は270万円でふるさと納税の寄付金を充てる。
実験は同じく小児科医不在の埼玉県横瀬町とも連携して来年3月末まで行い、相談内容やニーズを分析する。木場町長は「同じ悩みを抱える過疎地の町に希望の光を示したい」。橋本社長は「対面でないからこそ引き出せるコミュニケーションもある。子育ての安心を町民に感じてほしい」と話した。
=2018/04/26付 西日本新聞朝刊=
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